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エッセイ:私のこと〜なぜ開業を志したのか⑥開業前後(完)〜

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ビラ配り事件

さて前回は、開業当初、患者がなかなか増えず、むしろ減ったため、ビラ配りに行くことに決めたところまで話をした。

今回はその続き。

ただ落ち込んで、患者を待っているだけではダメだと、増患のため妻とビラ配りに行くことにした。

まずはポスティングだと、大量のビラを両腕に抱え、医院近くの一つ目のマンションの前に立ち、ポストを見つけると、おもむろに端から当院のビラを一戸一戸に入れ始めた。

20枚ほど入れた時だろうか。

マンションの玄関の自動ドアが開き、年配の男性が血相を変えて飛び出してきた。

「こらー!!何を勝手に入れてるんだ!!!」

そのマンションの管理人だ。

顔は相当怒っていた。

最近はいわゆるピンクチラシなどはポストに入ることはなくなってきたが、当時はほぼ無法であり、風紀の良くないチラシが多量にポストに入ってる時期だった。

おそらく私と妻は、そういったピンクチラシポスティング業者と思われたのだと思う。

今考えれば、医院のチラシなどは公益性もあるため、まずは管理人に了承を得ておけば、ポスティングも許可された可能性もあると思う。

しかしそういった知識も当時はないため、「私の顔写真入りのビラを院長自ら、非合法に入れている」ともし思われたら、医院が流行ってないだけでなくモラルもない院長だと余計悪評が立つだけになる、ととっさに考えてしまい、顔を見せずに下を向きながら「すみません!」とだけ叫び妻と逃げて帰ってきた。

後で考えると、余計怪しいことをしてしまったと悔やんだ。

この態度が悪評に繋がって、余計患者が減ったらどうしよう。

何より顔写真入りのビラを配ってしまっているのだ。

これ以上ポスティングはダメだ。。

もうやめて帰ろう。。

テンションはだだ下がりだ。

トボトボと自宅に帰り、何もする気が起きず、リビングで体育座りで見る気のないテレビをぼーっと眺めていた。

一体どうしたら患者は増えるのだろう。。


攻めの仕事と、待ちの仕事があるとするなら、医療は間違いなく待ちの仕事だ。

飛び込み営業する保険セールスなどは、典型的な攻めの仕事と言えるだろう。

医院などの待ちの仕事は、その存在を認知させるのは非常に難しい。

どうしたらいいのか、途方にくれていた。

徐々に増えてくる兆し

それからしばらくは特に何か手を打つわけでなく、とにかく目の前の患者に向き合うことだけを心がけて診察することだけに注力していた。

というか何をやったらいいのか全く見当がつかなかった、というのが本当の所である。

その頃は一般的なクリニックではほぼ誰もやっていないかった、ネットのPPC広告を入れてみたりした。

そうこうしていると、時々寒くなる日がやってくるようになってきた。

そうすると患者は本当に少しだが、徐々に増えてきた。

インフルエンザワクチンは近隣相場よりやや安く設定したりはした。


そして花粉症の時期、その年は大量飛散と言われる年だった。

そこでやっと、耳鼻科ではこれくらい最低来て欲しいという患者数の日が時々訪れるようになってきた。

しかしもちろん安定はせず、今日は多かった!と喜んだ日の翌日は、さっぱり患者は来ない、そんなジェットコースターのような日々で、患者数に毎日のテンションが左右される日々だった。

患者数で毎日一喜一憂するというのは、開業前に予想していた以上にストレスが大きいことだ。実際この頃は誰とも会いたくなく、全く出歩くことなく休みの日はTSUTAYA オンラインでぼーっと映画を見るだけの毎日だった。

そして開業後約9ヶ月、患者数のベースが上がってきて、やっと勤務医の3分の2くらいの利益が残るようになり、あ、やっと、これで食べていけるのかな、という気持ちがもたげてくるようになった。

ここに来てついに何とか、患者数が増えてきたわけであるが、そうなった要因は、

1 立地の精査

2 早くから、大きく開業予定看板をビルに掲げていたこと

3 患者数が少ない時でも、できる限り診療日数少なく早く治すことを心がけ、ダラダラと受診を引っ張るようなことは絶対しないという心がけ

4 ネット戦略

5 当初患者が少なかったため、私含めスタッフ皆オペレーションに慣れる時間が十分あり、患者が増えてきた時もきちんと対応することができた

6 単純に花粉の飛散に助けられた

といった所だろうか。

とにかく、どういった手段であれ、認知度を上げる、というのが最も大事なことだと痛感する。


そしてそこからはありがたいことに、緩やかではあるが順調に増患していくことになった。

増患についての詳細は、このブログの他の記事にも書いているので参考にしていただければと思うが、今回はエッセイなので、その理由には言及しない。


エッセイを書き始めて、開業して軌道に乗ってきた所まで触れられた。

なのでここで一旦、第6回まで続いた私の開業振り返りエッセイを終わりにしたいと思う。

私が医師を志し、なぜ開業するに至ったのか、そして開業してからどのような状況、心境だったのか、ある程度伝えられたかと思う。

これから医師を目指す人、医師としての進路に迷っている人、開業を志している人の、何かの参考になればと思い、長々と書いてみた。

駄文に最後までお付き合いいただき、大変恐縮である。

ではまた次のブログ、ツイッターで。

エッセイ:私のこと〜なぜ開業を志したのか①医学部時代〜

エッセイ:私のこと〜なぜ開業を志したのか②医師になって〜

エッセイ:私のこと〜なぜ開業を志したのか③物件決定まで〜

エッセイ:私のこと〜なぜ開業を志したのか④教授に伝える〜

エッセイ:私のこと〜なぜ開業を志したのか⑤開業前後〜

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