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開業して変わる説明の仕方

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最近気づいたこと。

ある病院に受診した私の知人が、「あの病院は院長の診察は安心できるが、副院長の診察は安心できない」と述べていたことがある。

私は両先生のことをよく知ってるため、そこまでの評価の差が出ることが納得できなかった。

もちろん、患者の、院長という権威によってそう感じているという要素も否定できない。

しかし、それだけとは思えない評価の差であった。

また、当院にも時々バイトで手伝いに来てくれる医師があるが、やはり同じような話が出ることがある。

そこで、私自身、医院を開業してからと、勤務医時代でどのように患者に疾患について説明していたのか考えてみた。

すると、明らかに根本から違うスタンスであることに気が付いた。

今回はそれにつき、述べてみたいと思う。

これは私のケースで、他の先生には当てはまらない可能性があることをご了解いただきたい。


さて例えば、ある軽い症状の患者が来て、9割は問題ないが、1割は重篤な疾患の可能性があるとする。

そういう場合どのように説明するか。

勤務医の時、または開業間もない時なら、

「問題ない可能性がかなり高いので、こういった処方でまずは様子を見るのが良いと思うが、悪い病気を完全には否定できないので、様子を見て、治りが悪ければ詳しい検査をしてみましょう」

開業数年経つと、

「大丈夫、心配ないですよ。 もし続くなら1週間後また来てくださいね。(もしくは、1週間後念の為来てくださいね。)」

に変わってくる。

その変化はどこからくるのか考えてみた。


勤務医の時、非常に気にしていたことは、重篤な疾患の見落としだ。

楽観的に説明して、実際は重篤な疾患であった場合、後でそれが発覚すると、自分の評価が落ちてしまう。

しかも、自分が責任者である病院ではないため、もし何か問題を起こした場合、病院に迷惑が掛かるという心配もある。

もちろん、患者を不安にさせてはいけないという気持ちはあるので、深刻にならないようには話をする。

しかし可能性が0ではない限り、全く触れずに済ますことは、後で訴訟になったりすると、自分が不利な立場に追いやられることになると非常に困るので、私の場合可能性のあることはある程度説明しておきたいという意識が働いていた。


さて、開業して数年経つとどうなるか。

確かに見落としが心配なのは変わらず、そういったヒヤヒヤすることを経験してきているのではあるが、上記のように比較的言い切るスタイルになってきている。

そうなる最も大きな原因は、最終的には自分が責任を取るしかない、という意識からだと最近気づいた。

すなわち、9割大丈夫であれば、確率的にはまず問題ないわけで、まずは安心させることが大事であり、不幸にも残りの1割であり、誤診と言われることになった場合も、自分が責任を取るしかないため、それによって医院に悪評が立つのも自分の責任だ。

もちろん、100%大丈夫だとは言わない。何かあったらすぐ来てくださいとか、1週間後念の為見せてください、などはもちろん提案するし、心の中では見落としの心配は勤務医時代と変わらずか、むしろ大きく感じている。

しかし、不要に不安にさせることの方が、患者にとっても医院にとっても良くないことなのではという意識に変わって来ている。

どちらが正しいということはないと思う。

しかし自分しか最終的に責任を取る人がいない、という状況は逆に開き直るようになるのだ、という側面に、医者になって約20年、今頃気づいたのである。


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