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開業後、経営コンサルタントは必要なのか

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医院経営コンサルタントとは

さて最近、何人かの先生にご質問を頂いたので、「今回は医院経営に経営コンサルタントは必要なのか」、という題で考えていきたいと思う。

私は開業後5年目くらいから、経営コンサルティング会社と契約し、コンサルティングを継続的に受けている。

ここで、勘違いがあるとダメなので、確認である。

一般的に医院に関わるコンサルタントというのは「開業支援コンサルタント」であり、開業までの物件探しから、業者の紹介、職員採用、公的機関への手続きなどを手伝うコンサルタントのことである。

しかし今回言及したいのは、開業後に業績が伸び悩んでいたりする場合に契約する、

経営指南をするコンサルティング」のことである。

(開業支援コンサルタントについては過去に触れているので、ご興味がある方はどうぞ。

医院開業に際しコンサルタントは必要なのか  )

そしてこういった医院経営コンサル会社は、あまり多くはないが存在する。

今回、医院は果たしてこういった経営コンサルティングを受けるべきなのか、について忖度なく考えていきたいと思う。

いくらなのか、何をやってくれるのか

顧問料はいくらなのか。

これはピンキリなのだろうが、ある程度信頼性のあるコンサルティング会社であれば、月に15万から20万くらいだと思う。

相当高額な印象であるが、このコストの考え方については後述する。


そして何をやってくれるのか。

クリニック経営をしていると、同業他院の情報は本当に入ってこない。

皆がそれぞれ競合なのだからある意味当然とも言える。

ただそうすると、独りよがりの経営になりがちである。

そして例えば集患について考えるとしても、その院長の思う施策以上のものはやりようがない。

そういった時に、コンサルタントがいると、まず現在の医院の経営状態を把握される。

その上で他院の状況を聞くことができたり、院長が知らなかった集患の施策を知れたり、医療情勢の新しい知識を得たりすることができる。

また、スタッフとの間に入ってヒアリングをしたり、事務長のような仕事をしてくれる場合もある。

自分一人では思いつかない経営のアドバイスをもらう、というのがコンサルタントと契約する目的となる。

具体的に私の場合

さて私の場合、どう言った経緯で契約し、具体的に何をやってもらっているのか。


開業して数年して近くに競合医院ができた。当初はまだ大きな影響は出ていなかったのだが、少し患者数の伸び悩みが出てきだしていた。

そこで差別化のため、医院ホームページのリニューアル、SEO対策をしようと考えた。

そして疾患説明ページを充実させ、検索順位を上げたいと思ったのだが、こういった医院HPコンテンツに詳しくSEOも考えてくれる会社はあまり見つからなかった。

また、普段の診療の合間にそういった原稿を考えるのは非常に面倒だった。

そこで、コンサルティング会社の経営セミナーに参加した際に相談し、私とHP会社の間に入ってもらって医院HPの作り方の指南をしてもらう、ということになった。

そして当初はHPが出来上がるまでの半年間のみ、という契約で始めたのだが、実際は今まで5年継続している。


では、具体的に契約してから今にかけて、何をしてもらっているのか。

ここが一番みなさん謎に思われている所だろう。

これについて列挙してみる。

まず医院全体の分析。

経営状況、競合との関係、院内のオペレーション、従業員満足度、患者満足度といった指標を細かく調べられ、現状把握と目標設定(数字目標も含め)を提供される。

私が驚いたのは、私の診療にかかる時間などをすべての患者において秒単位で調べ、どの疾患の診療の時にどういった無駄な時間が生じているのか、その業務の中でスタッフに移譲できるものがないか、などをチェック、提案されたことだ。

それによって一人当たりの診療時間を、満足度を下げずに短くできる施策を考えることができた。

また、スタッフ全員に担当者がヒアリングし、医院に対してどのように感じているのか、どのようなことを求めているのかの分析をされた。

そして、HPリニューアルに関しては、頼めば私の診療科特有の疾患の説明ページの内容のたたき台まで出してくれた。

もちろん私がチェックして書き直すわけであるが、原稿のたたき台があるのとないのとでは、労力が相当違う。

また毎月訪問があり、経営指標についての相談、今後力を入れていくべきことは何かを話し合う。

そして力を入れていくべき診療を決め、その告知方法やコスト管理などのアドバイスを受ける。

その上で具体的に、例えば院内に検査告知張り紙をしたい、となった時は、私が大体のイメージを伝えると、形にして見せてくれる。それを手直しして、印刷手続きまでお願いしている(支払いは私から直接プリントパック支払いなので、マージンは取られていない)。

また、院内モニターにお知らせを流しているのであるが、ここに流したい内容の提案からしてくれており、実際のコンテンツも作ってくれる。

私はそれをチェックするだけである。

この際も、スティックPCとパワポで原稿を作ることを提案され、費用はアマゾンで自分で買ったスティックPCだけである。

また、患者にプッシュで情報を知らせたいと思った時にLINE公式を勧められた。

そしてその登録を患者に促す際、ビラを配ってもあまり手に取ってもらえないことが予想された。

するとティッシュで配る、という方法もあると提案され、私はその案を採用しそのティッシュの原稿作成と、発注までしてもらった(これも実費以外発生せず)。

さらに、広告媒体や採用媒体を考える時に、最近は看護師はここからの応募が多い、などという情報を横断的に持っているため、非常に参考になる。

また、以前に企業主導型保育園設立を考えたことがあったのだが、その時はその保育園コンサルティング担当者とつないでもらい、保育園理事長を紹介してもらい見学に行かせてもらったりもした。

後は、毎月のネットPPC広告のキーワード選定と解析もお願いしている。

他にも、労務に関しての細々した相談をしたり、他医院や他診療科での成功例などを随時教えてもらっている。

すなわちイメージとしては、個別の診療科に詳しく経営をよく知っている、人脈が多い非常勤事務長を雇っている、という感じである。

例えばそういった能力のある事務長を一人採用すると、おそらく安くて500万場合によっては1000万近く報酬を出す必要があると思うが、通常のクリニック規模ではそれほどのコストをかけて能力の高い事務長を雇う程のコストに見合う仕事がないことも多いだろう。

そう考えると、月20万としても考え方によっては、事務長を一人雇うより安い、ということになると私は考えて契約を続けている。

経営コンサルタントと契約すべきか

さてではこういった経営コンサルタントと契約する必要はあるのか。

ここは忖度なく考えていきたい。

実際全クリニックの中で、こういった経営コンサルタントと契約している先生は、1%ないのではないかと思う。

今まではそういった人たちの力を借りなくても、やっていけないということはなく、いずれの医院もよく流行っている時代もあった。

しかし例えば歯科領域などは、医科以上にコンサルティング会社が多く、契約している歯科医院は非常に増えている。

それだけ競合との戦いが熾烈になっている、ということなのだろう。

そして、医院も今後こういった所と契約するケースは増えるだろうと思う。


ではどういった場合に契約すべきなのか。

私が思う要素を列挙してみる。

1 集患で伸び悩んでおり、自分の頭で考えるには限界があると思っている場合

2 ある程度軌道に乗っているが、さらに飛躍する為には何をすべきかわからない場合

3 将来の展開のためにはこれをすべき、ということはわかっているのに現実には忙しくて手を付けられない場合。

4 医院による診療以外に自分に知識がない領域を開拓したい場合

こういうケースなら、コンサルティングを受ける、というのは一つの選択肢として挙げてもいいかもしれないと思う。

逆に上記のようなことを自分でできる先生は必要ないと思うし、そのお金を別の自己投資に使うのがいいと思う。

私も全ての先生にコンサルティングが必要だとは全く思っていない。

なのでこのブログも、別に経営コンサルタントを紹介したり、契約すべきだと思って書いているわけでは全くない。

ただ、よく質問を受けるので、書いてみたいと思ったのである。


また、コンサルティングとは、その担当コンサルタントとの相性が非常に大事であり、相当その「人」に依存する。

そもそも形のないものを買う、ということなので、どうしても「人」の要素が強くなるのは否めない。

そしていいコンサルタントと出会えるかは運の要素も強いと思われ、契約しても満足できないケースも当然あるだろう。

私は幸い気が合い信頼できるコンサルタントと出会ったので、契約を続けている、ということなのである。

なので興味がある先生は、一度契約してみて合わなければ止める、ということでもいいのかもしれない。

最後に。「時間管理のマトリックス」

最後にこの図を見て欲しい。(富士フイルムサイトより引用)

非常に有名で、以前にtwitterでも何度か紹介した「時間管理マトリックス」である。

この図で最も大事なのは当然第1領域なのであるが、将来のことを考えると、第2領域にいかに時間を費やすことができるのか、がその医院の発展に寄与すると考えられる。

ただ実際は第1、3領域に忙殺され、疲れると第4領域に逃げる、という状況の先生は多いと思うし、私もそうである。

中々自分の意思だけで、すぐに結果の出ないといえる第2領域に力を注ぐのはパワーがいるものである。

そうった場合に、コンサルタントの力を借りて強制的に第2領域への時間を確保する。

そしてその時間のために投資するというのは、一つの考え方ではと思っている。

以上、「開業後、経営コンサルタントは必要なのか」について述べてみた。

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