開業医による、本当に役に立つ医院開業のコツ

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開業医が直面する慣れない労務関連の実務

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開業すると言うまでも無く、経営者となり、スタッフを雇う必要が出てくる。

そうするとこれまた言うまでも無く、法律上定めらえている雇用にまつわる公的な手続きを進める必要がある。

しかし開業するまでは勤務医であった多くの医師は、どのような手続きを進めるべきなのか、全くわからないだろう。

私もそうであった。

労務は医師にとっては馴染みがなく、不得意な分野ではあるが、これに対して覚悟を持って取り組んで行かないといけないと思う。

ただ、一つ大事なことは、院長が労務を一人で抱えないことだ。人の力を借りるべきだとおもう。これに関しては後述する。

また、具体的にどうスタッフとどう接するかなどのソフト面は、以前のブログで触れているので、興味がある方はご覧いただきたい。

スタッフマネジメントについて

さて、どのようなことをする必要があるかを簡単に挙げ、院長が意識すべきポイントのみ触れていきたいと思う。

雇用で必要な手続き

▪️雇用時

○「労働条件通知書」、「雇用契約書」を作成し契約を交わす。

ポイント:

これは1枚で兼ねた形の文書にするのが簡便でいいと思う。

その際、勤務時間は当然のことながら、交通費、年休、時間外手当、退職金の有無など、後で齟齬が起きそうな部分は特にきちんと説明するべきだ。

○ 労働保険加入

労災保険、雇用保険に加入する。

ポイント:

雇用保険は週20時間未満なら加入しなくてよい。ここを院長も理解しておかないと、パート職員から聞かれた時に答えられない。

そもそも雇用保険の手続きをしていないクリニックをたまに聞くが、雇用保険に入っていないと、退職後失業手当が下りず職員とトラブルになり、医院の信用を落とすことになりうるので忘れてはならない。

○ 社会保険加入

健康保険、厚生年金に加入する。

ポイント:

通常厚生年金と社会保険はセットであるが、医師国保であれば、申請すれば厚生年金と医師国保のセットで加入することができる。

医師国保の方が得な場合が多いが、収入や扶養家族の状況によっては協会けんぽの方が得になる場合もあり、ここは検討した上でスタッフの不満が出ないようにすべきだと思う。

また、医師国保を解約し協会けんぽに変更すると後戻りはできないため注意が必要である。

40才以上になれば介護保険加入も必要となる。

上記のような手続きに合わせ、定期的にくる給与や賞与の支払届を出す必要がある。


▪️退職時

上記の解約手続きが当然必要となる。

ポイント:

離職票を理解しておく。スタッフが次の就職先が決まっているときは必要ないこともあるが、退職後失業手当を受けるつもりの場合は、望まれればこれの手続きを進めないといけない。

他にも色々あると思うが思い出せばまたツイートしていきたい(ご存知こちらのMMアカウントで)。

誰に任せることができるのか。

大きく分けると以下の3つだろう。

1配偶者など、身内

2社労士

3税理士その他


それぞれ説明する。

1配偶者など、身内

院長の配偶者などが、経理や労務に対してやる気がある場合、一手に引き受けてもらうことは、経費削減としては非常に有用だと思う。

だが、労務関係の法律はよく変わるため、それに付いていくのはプロでなくては大変だと思う。


2社労士

当然社会保険の国家資格であり、社労士に依頼するのは一番信頼性が高いと思う。

しかし月額3万円程度と、医院労務としてはやや割高な印象だ。

普段労務関係にトラブルなく医院を運営できている場合、この費用を支払うほどの業務がないこともある。

人の出入りが激しい場合はコストに見合うかもしれない。


3税理士その他

税理士事務所が業務を代行してくれるパターンは多いだろう。

その場合、社労士を雇うより割安で業務を任せることができることが多い。

しかし我々よりは知識があるとはいえ専門資格ではないので、丸投げではなくこちらのチェックは必要だろう。

外部に任せるべきと思う理由

院長自らが全ての労務手続きをするのは得策でない。

院長は診療、経営に時間を割けるようにオペレーションを作っていくべきだ。

そして、配偶者が実際の作業を行う医院も多いと思うが、それでも社労士など外部に相談できる人を持つべきだ。

その理由は、「スタッフに信用してもらうため」ということに尽きる。

最近はネットでいくらでも労務関連の情報を集めることができる。

労務の素人である医師が、全ての労務に関する情報を知ることは不可能だ。

スタッフからすると、素人の院長が誰にも相談せず労務を管理しているのではやはり不安になるだろう。

労務の不安は離職に繋がることもあるだろう。

院長は自身だけでなく、きちんと詳しい人に相談しながら労務を管理しているというアピールは、スタッフの定着には非常に大事だと考えている。

私は実際どうしているのか

私は、社労士とは顧問契約は結んでいないが、スポットで必要な時に相談している。

普段の労務管理は、税理士事務所付属の労務管理会社(現在は分裂して独立している個人の会社)に任せている。

具体的には以下のような感じである。


毎月の作業

毎月締め日にタイムカードデータをPCに保存、同社にメール添付で送る。その際、特別な手当などがあればそのメールに付記しておく。

同社から税金や社会保険料などを天引きされた給料明細が送られてくるのでスタッフに配る。

そしてその明細金額をネットにて振り込むだけである。


スタッフ雇用時、退職時の作業

スタッフを雇用したことを告げ、上記に挙げた保険や年金の手続きを任せている。

各公的機関に郵送すべき書類を作成してもらい、こちらで押印し郵送する。


募集面接時

これに関しては私は自らリクルートの代理店などと原稿を考え、面接を行い、合否の通知などは私が自ら作成し郵送している。

こういったものも外注するとよいのだろうが、それほど採用の機会はないため開業以来自分でやってしまっている。

上記で1万3000円程度でお願いしており、費用対効果としては悪くないと思っている。

また、就業規則、賃金規定などを作成する際は、スポットにて社労士事務所に依頼している。

まとめ

以上院長が知っておくと良い労務のポイントをいくつか挙げてみた。

経営者となるのであれば労務に関して興味を持って最低限の知識を得ておくべきだ。

いずれにせよ重要なことは、院長がそれらを自分で行うのではなく、外部の方にに任せ院長は医院の診療や経営、全体像を考える時間を作ることだ肝要だと私は考えている。

おすすめ図書

最後にオススメの本を2冊挙げておく。

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